2011年07月17日

ライブ写真の現場

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私の知り合いの人のご両親は福島に住んでおられる。知り合いの本人は東京に居て、小さな子供がいる。ご両親の家は木造2階建てで、ウクライナ製のガイガーカウンターで毎日放射能の線量を測定されているそうだ。1階で0.3マイクロシーベルト、2階で0.6だそうだ。これは1時間あたりの値で、もし1年間そこに住むとしたら、0.3 ×24×365で、何と2600マイクロシーベルトを超える。以前は1マイクロシーベルトが、現在は20マイクロシーベルトが一般の人の被爆の限界ということになっているが、実に130倍の被爆量だ。大変なことになっている。
私は、毎晩寝る前に、福島の原発のライブ写真を見ることにしている。何やらクレーンが動いて作業の様子を観察できる。動きの少ない画面だけど、遠くに人が作業しているようにも見える。動きは、風に揺れる植物や飛び交う鳥たちで、時には曇り空だったり、霧で何も見えなかったりだ。夜は照明で照らされている。
最近、私の家のパラボラからNHKworldという海外向けの番組が見える。そこで議論されている福島原発1号機の現況は、安定冷却に向かって、スケジュール通りに進んでいるという。しかし、私が信奉する小出京大助教の話だと、炉心はメルトダウンを通り越して、炉の外に落ち、地中に潜り込んでいるので、冷却の意味は全くないという。いったい、どっちが正しいのだ。こんな基本的なことで見解が違うというのは、片方がウソを言っているか、あるいは、それほど、何もわかっていないのかもしれない。
それでも、ライブ写真のクレーンは毎朝7時半ころから働き始めて、土日も無く、たいへんな被爆を受けながら、見えない相手との戦いを強いられている。これほどの過酷な現場というものは他には無いだろう。
ラベル:福島原発
posted by perabita at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 原子力発電 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月24日

大江健三郎の言い分

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ドイツから帰ってきて、その前から、ニッポンの大変な状態を心配していた。実際に、身近でも友人が予想される大不況にため職を失ったり、関係している会社の工場が避難区域にあって、操業が出来ないとか、ミラノの近所の郵便局に小包を送りに行ったら、ニッポンへの小包は当面受け付けません、という。
地震、津波だけでなく、原子力発電所の問題は、BBC,alziajira(カタール),DW(ドイツ)といったTVでも詳しく放送されている。昨日では、東京の水道水が汚染された、ことや2人の関係者が被ばくしたことなど、逐一報道されている。
そんな中で、私は大江健三郎がニューヨーカーに投稿した記事を読んだ。その記事は「歴史は繰り返す」(http://www.newyorker.com/talk/2011/03/28/110328ta_talk_oe)というもので、広島・長崎の原爆の教訓が少しも生かされていない、という。「原子力の危険は、地震や津波と違って、人が生み出したものであ。ニッポンは広島の悲劇から何を学んだのか?」「原子力の災害は、遠くにあるように、可能性が無いように思えるけど、よく考えると、それは常に我々とともにある。ニッポンは工業の生産の条件から、原子力エネルギーを考えるべきではない。広島の悲劇から成長のレシピを引き出すべきではない。地震や津波や他の自然の災害の様に、広島の経験を人類の記憶のなかに刻み付けるべきだ。それは、自然の災害以上にドラマチックな大惨事だ。なぜなら、それは人が作り出したものだからだ。原子炉の建設を通して繰り返される過ち、同じく人類に対する無礼は、広島の犠牲者の記憶を最悪に裏切るものである。」と、語っている。
確かに、原爆の教訓を少しも学んでいない。悲劇をすぐに忘れてしまうニッポン。時間がもとに戻って、新しくスタートもときには良いが。これに比べ、ヨーロッパは、決して歴史を忘れない。私はクリスチャンではないけれど、ミサなかでSecolo a Secolo何世紀にもわたって、と繰り返す。2千年前のキリストの教えが伝わって来たことを強調する。たとえば、日常的に「大変なこと」を言い表すのに、Sacco di Romaという。それは、ローマが1527年に略奪にあったことを、いまだに言うのだ。
今度の原発の災害も、果たして、ニッポン人が原発を必要としたのか?国民に原子炉を建設することの是が非かを問うたのか?原発の無いエネルギー政策を検討したことがあるのか?ドイツの様に、原発廃止を何故宣言することが出来ないのか?たくさん疑問がわいてくる。
ラベル:大江健三郎 原発
posted by perabita at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 原子力発電 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする