2011年12月19日

ブロッコリーなのかカリフラワーなのか?

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(ローマのブロッコリーBroccolo romanescoと呼んでいる)

今日は、ニッポンの知り合いからこの野菜は一体何という名前か?カリフラワーのように見えるけど本当にブロッコリなのか?という問いに、いろいろ食物辞典やネットを駆使して、答えを見つけようとした。
まず、写真の野菜は、ニッポンではユーロスターと呼んでいる、そうだ。こちらでは、特急電車の名前だけど、野菜のごつごつした感じが、星の様だからそう呼ぶのか?このフラクタル幾何のお手本みたいな野菜は、イタリアの食物辞典には、ローマのブロッコリbroccolo romanescoと呼ばれている。ところが、この野菜、どうもイタリアでもカリフラワーcavolfioreと勘違いされる様だ。先日、私が通うスパーでも、ローマのカリフラワーと表示されていた。じゃあ、一体、ブロッコリとカリフラワーはどこが違うのか、そしてこの野菜はどっちに近いのか?名前はブロッコリでも、見た目はカリフラワーに似ているという意見もあった。
まず、ネットでいろいろ調べてみた。サレルノの職業学校のテキストに「キャベツ」と題する格好の資料があった。
基本的に、この野菜はキャベツ科cavoloに属する。さらにアブラナ属で、原種は野生のキャベツから全てがはじまっている。ヨーロッパの歴史からは、このキャベツとカブ(これもキャベツの一種)が古代ギリシャ、ローマ時代から食べられてきた。当時の、レシピにも登場する。そして、中世になって、キャベツの花の部分が栽培され、16世紀には、ブロッコリ、カリフラワーがはじめて食べ物として栽培される。そして19世紀には芽キャベツも出てくる。このローマのブロッコリも16世紀頃が最初とされている。19世紀の料理本にはこのローマのブロッコリも出ているそうだ。
では、植物学的にはどうか?キャベツは、最初アブラ菜(なたね?)からスタートして、キャベツになるのだが、非常に多くの野菜がそれから誕生する。もちろん、葉キャベツ、クラウト、ヴェルザ、黒キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、カブラ、芽キャベツ、白菜などたくさんだ。こんなに、キャベツの種類が多いのかとびっくり。人類はキャベツのお世話になってきたのだ。

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(左ローマのブロッコリー、右カリフラワー、下ブロッコリー)

最初、野生のキャベツが変異して、花の部分が、ブロッコリになり、最後カリフラワーになる、という。どうも、その間にこのローマのブロッコリが誕生すると思われる。ブロッコリとカリフラワーの違いは何か?それは、前者が実(花)の部分が多く枝分かれしているという。後者は、ある程度、実の部分が塊となっている、という。実際に、ブロッコリは、cavolo broccolo ramoso 多枝のキャベツ・ブロッコリと呼ばれている。この3種類の野菜の断面の写真を見て欲しい。下がブロッコリ、左がローマのブロッコリ、右がカリフラワーだ。実際に料理するため、包丁で茎をカットすると、ブロッコリはバラバラになるのに、カリフラワーはそうではない、塊なのだ。そうして、ローマのブロッコリもバラバラになるから、やはり形の上からは、ブロッコリで正しい。
では味はどうか?私は、この3種類の野菜のパスタ料理をした。まず、湯を沸かし、沸騰したら塩を入れ、これらの小さく刻んだ野菜を入れる。数分して、ショートパスタを入れ、ゆでる。ゆであがったら、野菜とパスタを湯からあげて、水を切り、皿に盛る。そこに、コショウ(私はコリアンダーも、適当なハーブ)、粉唐辛子、バター、オリーブ油をふりかけ、最後にパルメザンチーズをあえて出来上がり。もちろん、おいしい。
その結果、生でローマのカリフラワーを食したら、カリフラワーに近い味がした。しかし、調理して味わってみると、ブロッコリに近い味がする。やっぱり、味の上では、ブロッコリと言うのが正しいように思う。
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2011年10月27日

ポンペイのたこ焼き?

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先日のナポリに行ったときに、再び考古学博物館を訪れた。この博物館には、ポンペイで発掘された物が展示されていて、興味がつきない。その中に、調理器具が展示されていた。まず、最初の写真は、フライパンだ。しかも丸と楕円ある。が丸のフライパンには、炒めて出たスープか、ソースで魚か肉を煮た後にスープを注ぐ口がついている。これは、驚きだ。確かに、現代のフライパンにだって、もし付いていれば重宝したに違いない。そして楕円のフライパンは、たぶん魚を焼いたのであろう。現代でも楕円のフライパンは見たことがない。魚用の楕円の煮もの鍋と同じ役割をしたのではないか。そして縁に立ちあがりが付いているから、木製のふたがあって、蒸し焼きか、煮たのではないだろうか。相当に進んだ料理を調理していたことが想像される。

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そして、最大の驚きは、たこ焼きがあったのか?フライパンにボール状の掘り込みがある。でも、たこ焼きにしては、このボールは大きすぎる。その可能性があるかどうかだが、材料については、パンがあったから小麦粉は可能だ。タコも当時のモザイコの絵になっているぐらいだから、よく食べた。現在でも、ナポリ人はタコを好物にしている。だったら、ポンペイに巨大たこ焼きがあった。と言いたかったが、あの、半煮えの、糊状の食べ物がイタリアには無い。つまり、あの食感をイタリア人は極端に嫌う。だから、結論的には、たこ焼きはイタリア人の好みでは無かった。気持ち的には残念だ。
では何か?それは、古代ローマ時代の料理書が残っていて、APICIOという人が書いたと言われていて、10冊で、450のレシピがのっている。今だったら、小林カツ代だろう。その中にある、コショウのお菓子(ドルチェ)がこのボール鍋にピッタリだ。
レシピはこうだ。コショウ、ソース、アンチョビのパスタを一緒に一晩浸して、パスタ状態する。これに水を少し加えて、乾燥イチジクを水に戻して加え、松のみ、クルミと小麦粉を一緒にまぜ、30分フライパンで炒めて、クルミとノチョーラを粉にしたもので飾る。
この料理なら、あのボールのフライパンが使える。ボール状の御菓子だ。
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2011年07月25日

ワインのラベルの法則

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いつものスーパーに行った。そのワインコーナーで、きれいなラベルのワインを見たので、つい購入してしまった。いつもよりは少し高く、6ユーロもする。イタリアでは、この価格だとお客さんを呼んだときや、友人に招かれて持っていくワインかもしれない。中クラスのワインだ。
しかし、ラベルとワインの中身、つまり味とは関係があるか?私は大いに関係すると思っている。なぜなら、魅力的なラベルは必ずおいしいという法則が成り立つ。従って、ワインのことを知らない私は、ラベルで全てを判断することにしている。この法則は、そんなには間違っていない。しかし、逆の場合、ひどいラベルはワインもまずい、とは限らない。一度、手書きのひどく田舎風なラベルのワインが安く売られていた。誰も手を出さなかった。私はためしに1本だけ買ってみた。ところが、値段の割においしい。しばらくして、数本まとめ買いする人を見かけるようになった。そのワインは、ひどいラベルを変えないで、毎年定番のように棚に並ぶようになった。
今回、購入したワインは、シシリー産で、ドンナフガータDonnafugataというブランド名だ。この名前、トマッシ・ディ・ランペデューサという作家が書いたガッットパルドという小説から名前を取っている。名前は、逃げた女性という意味で、18世紀に、ナポレオンがイタリアに侵入したときに、ナポリのフェルナンド4世の妻が、シシリーに逃げて、この農園の地に住んだ、という。この小説は、ヴィスコンテによって1963年に映画化され、そのドンナフガータをクラデア・カルディナーレが演じている。
ラベルの絵は、それとは別の土着の女神が描かれ、他のワインも全て、シシリーの濃い土地に因んだ絵が貼られている。まだ飲んではいないけど、きっとラベルの絵にふさわしい味がすると信じている。
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2011年06月21日

イタリアに玉子焼きがない理由?

最近は山に行くようになって、弁当を持参することが多くなった。中身は、豆ごはんにおかずだ。しかしこの豆ごはんのおかずにピッタリくるものがない。この前はコンビーフの缶詰にインゲンをゆでたものだった。その前はソーセージだった。そこで、はたと思った。玉子焼きだ。これは昔からお弁当の友というか、必ず入っているべきものだ。そこで、今回フライパンで玉子焼きを作ろうとしたらうまくいかない。薄焼きやオムレツはできるけど玉子焼きは無理であることを発見した。
そうだ、四角いフライパンが必要だ。で、近所のスーパーや料理道具の店をまわったが、オーブン用の四角いサラは売っているが、玉子焼きができる四角いものは無かった。しばらくして、無印の店に売っていることが判明、早速本日購入したのがこの写真だ。最近はイタリアでもスシが流行で、玉子焼きを作るらしい。

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なぜ、四角いフライパンが無いのかという疑問から、フライパンの由来をしらべてみた。というのは、料理は料理をつくる道具とともにあるもので、ある意味では料理は文明の産物に違いない。例えば、ゆで卵をゆでるには器が必要で、お湯が沸く器をつくる技術が無いと、ゆで卵は出来ない。最初に食べた人は、器の所有者で、高度な技術が背景にあったに違いない。ではフライパンはどうか?古代ローマではすでにあって、ポンペイでも出土している。Patella(イタリア語はPadella)と呼ばれ、金属をたたいてサラ状にして、柄を付けた。主に、油で揚げるか、炒めるのに使ったと言われている。17世紀に入って、現代のフライパンが出来、素材は鉄をたたいて作った。だから、たたいて作るからには、やはり円くなる。四角いフライパンは不可能なのだ。では、ニッポンの玉子焼き器はどのように作成するのか。それは、板状の金属を四方折り曲げ、箱状にしたものに柄をつけた。
だから、円いフライパンでできるのは、一回だけ二つに折り曲げるオムレツと相場が決まっている。これで、ヨーロッパには玉子焼きが無い理由がわかった。ついでに、フライパンの柄の長さは、円の直径と同じだそうだ。知らなかった。
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2010年12月22日

地中海式ダイエットは本当か?

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今日のお昼はこんなものを食べた。ブロッコリをスパゲティ150gと一緒にゆでる。ニンニクと小玉ねぎ、スカローニョともいう、のを炒めて、トマトソースを作って一緒にあえた。いわば野菜入りのパスタだ。夜は、ホーレンソウをゆでて冷やしたものと、卵を3個一緒にかき混ぜて、フライパンで卵焼きにした。そして、厚い豚肉のステーキを焼いた。これを、パンと一緒に食べた。パンには、はちみつとリコッタチーズをたっぷり載せた。最近はこのリコッタにこっている。昨日は、出張だったので、お昼は電車の中で、駅で買ったサンドイッチと水、夜は、パスタに、なすをフライパンで焼いた上に、モツァレッラチーズを載せて食べた。それに、パン+はちみつ+リコッタだった。
だいたい、こんな食生活をしている。それが、ここ最近山に登り始めて、自分が人より太っていて、リュックの重さにさらに余分な体重がたぶん5キロ加わり、相当な重量が負担になっている。だから、ぜひこの5キロを取り除きたいと思うようになった。でも、苦しまないでやせたい。と思って地中海式ダイエットに飛びついた。本を買ってみて、このバランスのとれた地中海の料理を、カロリーを気にしながら食事をすると、自然に体重が減る。と勝手に思って、本気でその本を読む気になっている。読んだからやせることができる訳はないのはわかっている。しかし、この地中海の料理またはイタリア料理は、本当にバランスが取れているのであろうか?オリーブ油をたっぷり使い、チーズをこんなに食べて、毎食パスタをおなか一杯にして、ときにはワインも飲む。どう考えても、豊かすぎるのでは?どうすればよいのか?本を読んでから決めるのでは遅いか?
写真は、ロマネスクという名のブロッコリ。形ほどの味ではない。
posted by perabita at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする