もうサローネはとっくに終了しているが、私のサローネ特集はまだ終わらない。サローネはイタリアのデザインの現場を知るのには良い機会となっている。このサローネで活躍するデザイナーも多い。そのなかで、昨年はウルキオラ事務所に所属していたが、今年から独立した我らの建築家マルティノ・ベルギンズMartino Berghinzがいる。
彼は、昨年に引き続いて、パナソニックの展示デザイナーだ。今度のサローネでは、このマルティーノとウルキオラによく出会った。二人とも売り出し中だ。
友人が、ひょっとして、マルティーノのデザインしたMOROSOはフィエラ会場で一番良いかも?と言うので早速見に行った。これがその写真だ。まるパイプを曲げて柱にしたもので、白く細い柱が林立するなかに家具が置かれている。これだけある柱がスクリーンの役割をして、内部スペースを作り出している。レセプションルームでは、さらに白いスクリーンで内部を半透明に隠している。確かに、展示スペースとしては一番かもしれない。白い竹林の中を歩き回った感じがした。モローゾの家具にはちっとも感心しなかったけれど、一つだけ気に入ったものがあった。それは、すり切れたカーペットだ。昨今のジーンズのように、新品だけど使い古したように見せかけたカーペットが美しかった。なぜ、新品よりも美しいのか?新品はきれいだけど、なじんでいない。使い古されたものは、なじみの心地よさが感じられる。現代は、新しさよりも、なじみの方が感性にフィットする、何かがある。これは決してアイロニーではない本当の感触なのだ。と思う


Giuliano Cardella
パリのアパートを貸します。エッフェル塔が見える都心。空状況は1ヶ月前に。
