
街を歩いていたらこんなミュージアムに出会った。更紗の版木のコレクションだ。ミラノで寝具のベッドカバーやシーツを売る有名なズッキZUCCHIという店がある。私が住む街にも支店があって、カラフルな寝具が売られている。ドーモに近い、フォスコロ通りVia Ugo Foscolo,4にあるズッキの店の地下に、このミュージアムがある。誰でも見学できる。






昔、私は銅版画をしていたことがあって、版画と同じ原理で、木に模様を彫ったのもで、インク(染料)をつけて、布に押し付ける。いわゆるプリントである。非常に魅力的で、その魔力に心を奪われた。何よりも、彫られた版の美しさが、プリントされたものよりも美しい。また版によって木綿に押し当てられた模様も、毎回微妙に同じではない。にじみやずれや染料の具合で違ってくる。またそこが面白い。
このミュージアム、ズッキ・コレクションLa Zucchi Collectionには5万6千の版木が集められ、1785年から1935年まで、実際にプリントを作成するのに使われた版木だ。これはイタリアの工房ではなく、フランス、イギリスの工房で使われていたものを、ズッキがまとめて1988年に購入して、博物館にしたものだ。詳しくは以下のHPを参照。
http://www.zucchicollection.org/pages/index.php
版木の模様は、更紗という植物を模様にしたものが中心で。抽象的なものや、具象的なものなどバラエティに富んでいる。更紗はもともとインドが始まりで、インドネシア、ペルシャ、ニッポン、ヨーロッパでは、フランス、イギリスが有名。世界中にこの模様が広がった。版木の模様をみていると、迷宮の世界か、何かわからない抽象や曲線の魅力か、模様やパターンの世界に引きつけられる。いつまで見ていても飽きることはない。
その窓の落書き?ペイズリー模様のような落書きを見て、真っ先に、この一番下の版木の写真を思い浮かべました。
不思議な感覚のコラボレーション。どちらも、美しいです!
アルプの作品のようでもありますね。