2010年05月31日

やりくりとカットに苦しむイタリア

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この写真は、数日前に家から撮った。黒いのは煙ではなくて、暗雲なのだ。まさに、これから嵐がくるのか?それとも、すぐに過ぎ去って、また太陽がでてくるのか?まさに、イタリアの将来を占っているようだ。

今年に入ってから、ユーロッパ経済は危機に瀕している。ギリシャの破綻、破産がきっかけとなっている。私は、経済は全くの素人。それでも、この経済を無視してイタリアの現在や将来を考えることは出来ない。だから、あえて記録の意味もあって、記してみたい。
2週間ほど前に、ユーロが暴落した。ドイツをはじめとする各国がギリシャ支援を語っているが、どうもその効果が薄いと見られている。結果、ユーロが下落した。そして、イタリア国内は経済的な破綻が言われはじめた。新聞紙上には、manovraとtaglioの言葉がおどっている。前者は経済的な操作、つまり「やりくり」、後者は「カット」である。予算のやりくりとカットで、税金を上げないで、切り抜けようとしている。もちろん、税金をもし上げると、ストライキとなり、現政府は退陣というストーリーが、誰でも想像できるからだ。

では、やりくりとカットで、いったいどうなるのか?新聞紙上には、いろんな話しが出ている(この頃は、新聞が面白くて、ときには2紙を買ったりしている)。例えば、公務員については、この3年間で530ユーロの賃金カット。税金をきっちり取るために、現金ではなくて、記録が残る小切手などを使うことを義務付ける。不動産の売買などで税金を取る。そして、年金の開始を数ヶ月遅らせる。現在は35年間が年金取得に必要だけど(ニッポンは25年)、それが40年になる(フランスなどは、41年間を検討しているらしい)。開始最少年齢を57歳とする。将来は65歳となる。こうなると、若い人たちは働く意欲がなくなるのではないか?25歳からだと65歳まで働き続けなければ年金がもらえない。
そして国にお金がなければ、州や市に予算が回ってこない。2011年は、州が4.0%カット、市が1.5%カット、2012年は、州が4.5%、市は2.5%カットとなる。2015年のミラノで開かれる世界博覧会も、予算カットされる。高速鉄道も延長が難しそうだ。なにから何まで厳しい状態だ。

いったいこうなったのは何が原因と考えられているか?二つ、大きな問題がある。EU圏は常に拡大してきた、周辺の経済的に弱小の東欧やギリシャ、ポルトガル、アイスランドなどを取りくみ、結果として、ユーロの弱体化が進んだ。どんなにドイツ、フランスががんばっても、全体をカバーすることはできない。
もう一つは、中国、インド、そして最近ではブラジル、ロシアなどの攻勢で、ヨーロッパの競争力が、落ちていることだ。イタリアも輸出が伸びていない。
二つとも、簡単には解消できる可能性はない。

といったところで、イタリア国内も当面はカット、カットで厳しく、それでなくても、公共サービス(学校、裁判所、病院、大学等)がすでに破綻状態にあるため、この先一体何が起きるか分らない。ユーロの価値もヨーロッパ経済の弱体が暴露されてしまった現在、そう簡単に元にはもどらない様だ。何から何までお先真っ暗。当面、雲行きに注目したい。
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2010年05月29日

私たちの人生La Nostra Vita

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今週は、どんな週だった?っていつも週末に思う。幸いなことに、3つ良いものを見ることができた。聴くことができた。

はじめは、毎週月曜日に行われている新人のコンサート(Sala Puccini,conservatorio)で、中国人の少女が弾くピアノがとんでもなくすばらしかった。リー・インLI YINGという人で、何と1997年生まれ。曲は、ショパンとリストだ。スタンウェイのピアノが、ピアノではないような豊かな音を出していた。これまで聴いたピアニストのなかでも、ピカイチにすばらしいとしか言いようが無い。13歳で、それが可能なのは、天才なのだろう。ミラノの北で開かれた音楽コンクールで若い新人として賞を得ている。きっと、すばらしい演奏家に成長するにちがいない。

そして、二つ目はポール・マッカーティのアート。
三つ目は、映画「わたしたちの人生La nostora vita」で、今年のカンヌに出品された作品で、監督はダニエル・ルケッティDaniel Luchetti、で主演男優賞をもらったエリオ・ジェルマーノElio Germanoだった。
映画は、シンプルなストーリーで、工事現場監督のクラウディオが、仕事と家族のストーリーで、悲しくも、激しくも、時間が過ぎていく人生を描いている。仕事では、工事現場での事故で人が死ぬ。労働者は違法外国人。建設会社の倒産。でも、最後は自力で、ファミリーの応援で、なんとか工事は完成する。でも、妻は出産で、亡くなってしまう。それでも子供3人をかかえ、時が過ぎてゆく。という話。妻の葬式で、激しく歌う、歌がとっても良かった。「人生は私たちがいなくても続いてゆく。時が過ぎて行くが決してもどることはない。わたしたちも変わっていく。。。。。」この歌は、次のPRのHPに流れている。
http://www.ivid.it/lanostravita/
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2010年05月27日

ポール・マッカーティの範囲外のアート

パラツィオ・チッテリオPalazzo Citterio(Via Brera,14)というところで、ポール・マッカーティという人の展覧会が開かれている。あのビートルズのマッカーティとは違う。Paul Maccarthy(1945−)で、ロスアンジェルスで活躍するモダンアーティストだ。だいたいこの建物は、歴史的な建築で、1980年代に、あの有名なジェームス・スターリングが改装を手がけたが、途中で工事はストップして、すでに30年が経過して、放置され、その未完成の建物で展覧会が行われている。無料。写真可。

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この人とんでもなく過激で、いかにもアメリカのモダンアートで、完全にアートの範囲を超えてしまっている。会場に入って、最初にお目にかかるのは、マッカーティのDreaming,
2005という作品。本人が寝ている。この彫刻?はシリコンで出来ていて、まさに生き写し。どうも観客が、手で触ることが多いみたいで、絶対にダメですという看板があって、人が付いている。そのリアルさもさることながら、下半身が裸だ。一物を見せている。歳が歳だから、かわいいかもしれない。この人、いつも下半身裸で昼寝をするのだろうか?

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会場のメインのところに、置かれているのは、豚とナニをするブッシュ元大統領。タイトルはStatic(Pink),2004-2009だ。顔が切られているが、明らかにブッシュだ。政治的なアピール?アイロニーをねらったものだろうけど。コケにされたブッシュと豚との取り合わせが良いかもしれない。
そして地下には、Paula Jones,2010というタイトルのシリコンでできた全裸の彫刻?がある。このタイトルの人は、クリントン元大統領をセクハラで訴えた女性だ。ウーン、この人は股を広げて、それを見せている。この事件を詳しく知らないけど、相当に過激に皮肉っているようだ。
そして、地下の大広間では、この展覧会のタイトルでもある。Pig Island,2003-2010で、マッカーティの仕事場の再現だそうで、最近の作品の試作がされている。散らかっていて、素材が転がって、ゴミまでもある。このひとは相当に、散らかすのが好きで、何か私と同じようなクセがあるのだろうか。ぐるりと回って、ゴミに囲われた修作を見ることができる。解説の人は、この巨大作品は、ビルが一つ買えるくらい高価だというが、どう見てもゴミの山にしか見えない。

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会場には、ビデオも展示されていた。マッカーティは、ビデオの作品もあって、Pirate Party(2005),Houseboat Party(2005),F-Fort Party(2005)だ。なんというか、こんなにきたない映像もめずらしい。暴力とセックスと排せつがそのほとんどの映像だ。色は、きれいといえばきれいかも。映像表現もなかなか斬新。でも内容がきたない。まあ、人間と動物はあんまり変わりないというのか、アメリカ社会、風俗、人間を表現したのか?パロディーか?

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そして、地下には傾向の違う作品がある。Kechup Sandwich,1970で、ハインツのケチャップで、ガラスの板の間にケチャップがある。それが積み重なって、周囲にケチャプのビンがたくさんある。ケチャップに匂いが、周囲にまきちらされている。この人にとっては、コーラでも、缶詰のスープでもなく、ホットドッグにつける、ハインツのケチャップが重要な意味があるらしい。アメリカンフードのまずさの象徴のようなケチャップ。中庭には巨大なケチャップのビンが置かれている。
アートからはみ出してもアートに違いない。その証拠に作品は高価で取引されている。といわんばかりだ。
posted by perabita at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・モダン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

チャンピオンスリーグ・インテル優勝の瞬間

posted by perabita at 07:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月22日

ミラノ人とのつきあい

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バルサさんのお尋ねにお答えして、というか、ミラノ人とのつきあいを反省する意味でも、私の交友関係を記してみる。ミラノに住んで4年が過ぎた。これ以前には、実は若い頃、ローマに住んでいたことがある。学生としてだけど、ローマ人とのつきあいも少しはあった。ローマ人は、人当たりは良いけど、なかなかつきあいが難しい。自分の先生や少し仕事をしていたことから、その関係の人とは、家によばれて、食事をごちそうになったりしたが、普段は、めったにそういうことはなかったと記憶している。知り合いは出来るけど、それ以上のつきあいには発展しないのがローマ人だ。という印象がある。

ではミラノ人はどうか、ローマ人とは少し違う気がする。
ミラノに来て、最初に知り合った人と、いまでもつきあっている。アパートを探すため、ドイツ人に誰かアパートを紹介してくれる人は居ないかと聞いたら、ドイツ領事館にリストがあるから、と渡された、最初に書いてある人に電話した。そうしたら、すぐ来いという。行って話しをしたら、アパートを紹介してくれた。その人は、アパートを何件も所有していて、ドイツ人やニッポン人に貸している。今でも、つきあいは続いていて、その人の友人も含めて、友人の友人は友人という関係に発展した。一緒に食事はもちろん、友人達と出かけたり、遊んだりで、十分すぎるつきあいがある。

私は、学校に通っている。昨年は中国語で今年は英語の学校だ。どちらも、少人数だけど、交友関係がある。メールのやり取りや、気のあった人とは、学校外でも会ったりする。昨年の中国語コースの人たちとは縁遠くなっているけど、今のクラスの人たちとは、なにかのきっかけがあれば、すこしは長くつきあえるかもしれない。

あと、ときどき展覧会を開いている、コピー屋さんのギャラリーでは、そこの主人とは、やあやあという言う関係だ。まあ、行った時だけ、楽しく話をして、絵を見て、若者と会話する。そのときだけのつきあいだけど。
近所のバルでも、コーヒーを飲むときだけの、つきあいで、つきあいとはいえないけど、逆にあんまり干渉しないのが気に入っている。

もちろん、仕事関係もつきあいがある。ある大手のメーカーにはじめて電話したら、すぐ来いという。その人は、ニッポンびいきで、16歳の息子がマンガにはまっているらしい。話が発展して、仕事の方も予想外にうまく行った。こんなことは、ニポンでもあまりないなーと思っている。

身近な自分のアパートのつきあいはどうか。私は最上階の4階に住んでいる。中庭に面して、左隣は最近越してきた人で、最悪の関係だ。勝って気ままで、許しがたい。つきあいたくない隣人だ。右隣は、90歳を超える人で、年に何回も顔を合わせない。3階の人とは、月1回くらいしか会わない。30過ぎのテレビタレントらしい。いつもパーティで騒がしい。
だから、アパートでは、挨拶はするけど、それ以上のことはない。でも、管理人のオバサンとは、何かと親しくしている。イザというときそれが大事だから。

ということで、ミラノでは、どんなきっかけで友人ができるかわからない。ほとんど偶然だ。でもその偶然の出会いを大切にすれば、ミラノ人とつきあうことができる。と思う。ひょっとすると、東京なんかよりも、ミラノ人との方が良いつきあいができるかもしれない。
バルサさん安心してミラノにいらしてください。きっと良い友人にめぐり合えると思う。アルバムからミラノ人をピックアップしてみました。
ラベル:ミラノ つきあい
posted by perabita at 09:08| Comment(2) | TrackBack(0) | ミラノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする