2009年11月30日

I WANT TO LIVE FOREVER

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今日も朝から雨が降っていた。昨日オープンしたYAYOI KUSAMA草間彌生(1929−)の展覧会を見に行った。イタリアでは、初めて紹介される大規模な展覧会だ。ミラノのPAC現代美術館で2月14日まで開かれている。私は、ガイドが土日は日に一回行われるので、その時間に合わせて行った。

展示は、草間の最近作品が建物正面に飾られ、入ると、全面に赤く塗られ、点々の集合から成る大きなキャンバスがある。その右には、1970年代の、何か植物の芽が成長したようなたくさんのオブジェに、黄色い点々が。次の部屋は、巨大なカボチャの立体に、円い点がある。CGによって製作されたという。同じ部屋に、キャンバスに大きな丸と、小さな丸がたくさん描かれ、この大小の大きさの違いが、遠近による空間を表現しているようだった。その次の部屋は、鏡で作られて5メートル四方の部屋が作られ。その中に、ランプはあって、静かに明かりがついて、消える。四方が鏡なので、無数の明かりの点の中に、自分がいるようだった。写真を撮った。そして、次は、テーブルと棚のオブジェで、白く塗られ、その上にアミがかぶせてある。網目は点と同じ効果で、永遠、無限を現している。絵も、網目の点で構成されている。さらに、大きな、外に面したガラスのホールには、床にシルバーの直径30センチくらいのボールが800個近く転がっている。タイトルはナルシスといって、そのボールに近づくと、自分自身が無数に映る。かつてビエンナーレで展示されたものだそうだ。そして、2階には、草間のアーティストとしての経歴と映像があった。映像は、1960年代にアメリカにわたったときに製作されたもので、草間自身が出演して、盛んに赤い円い点を描く。

I want to live foreverの副題の通り、描かれた無数の点が、無限の空間と永遠の時間を現しているのが良くわかる。学芸員のガイドの解説に中に、この点を書くきっかけになった事件について触れられていた。草間の小さい頃、親(父親か?)が自殺した。その日は、庭一面に白い雪があって、そこに赤い血の点が。。。。というような説明をした。私の聞き間違いなのか?分らない。直接、草間から聞いた話として、紹介していたようだった。そういえば、草間の点は赤か黒が多い。この生々しい話と、アートとは何の関係も無いけど、もしそれが本当なら、点の意味に死を加えなければならない。永遠の生と死。
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2009年11月29日

アンジェラのこと

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わたしの名前はアンジェラ。今朝は早く目が覚めた。どことなく、明るく、太陽の光のあたたかさが、アンジェラの気持ちを現しているような朝だ。
今日は病院に行く日だ。そして、土曜日は午前中に済ませなければならないことが、たくさんある。その一つが、市場に行って、一週間分の野菜と果物の買い物をすることだ。
わたしの家はジョルジョ・ヤン通りにある。エンジニアだった父の代から住んでいる。この短い通りは、20世紀のはじめに建設され、建物は当時のモダンなものだ。わたしの家は地上階で、30メートル四方の庭がついている。庭の周囲にはぶどう、柿の木、白い花の咲く泰山木がある。そして、中央には花壇があって、1年に一度、3月頃に、植木屋さんに頼んで、スミレ、水仙、チューリップやいろんな花を植えてもらう。そして春には、色とりどりの花が咲き乱れる。年に一度のぜいたくだ。しかし、花が咲いても誰かを呼ぶわけではない。アパートの上の階の人や、通りかかりの人が見て楽しむだけだ。私もそれを見て、父や母が居た頃を思い出すのが楽しみで、毎年忘れずに行ってきた。
わたしは、自分の父が残してくれた財産のアパート、田舎の家を売って、生活してきた。今住んでいる家も、所有者が別に居て、わたしが死ぬと、その人が受け継ぐ。わたしは死ぬまで自分の家に住んで、ぜいたくではないけど生活費も銀行から下りる。このことを、ヌーダ・プロプリエタ、裸の所有者と呼ばれている。まさに死んだ後は裸になってしまう。
近所の市場に出かけた。市場では、いつも同じバンコ(店)のオジサンから野菜と果物を買う。シャンピニョン、トマト、カリフラワー、レモン、白いリンゴ、洋なし、など、ほとんど1週間分を買いだめする。今日は、トルタを作る。市場の商人は、ほとんどがアラブ人に決まっている。でも、よく探せばイタリア人も何人か居る。わたしのひいきのこの店も、生粋のイタリア人夫婦がやっていて、売っているものについては、味もよく、信用できる。ただ、少しばかり計算が弱いのか、わざとなのか、お金を間違える。普段は多く間違えるから、やっぱりわざとだと思う。だから、野菜を計りに乗せるたびに、いくら?と聞かなければいけない。もう、10年近くつきあっている。
買ってきたシャンピニョンとほうれん草、それにリコッタチーズで塩味のトルタを焼く。午前中にすばやく済ませ。午後に病院のエンニーノ医師に渡すつもりだ。
ようやく、土曜の午前中にやってくる雑用を済ませ、午後の早い時間に外出する。わたしはこのエンニーノをひそかに恋している。わたしは82歳で独身、医師は40歳で、妻子がある。(登場人物は全て架空)
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2009年11月27日

準備完了KUSAMA YAYOI展

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こんなに長期的に天候が悪いのは、今年は特別なのだろうか?この一ヶ月間、青空はほんの数えるほどしかない。何か、イギリスやドイツで暮らしているようだ。今週の月曜日は久しぶりに雨がやんで、いつもの自転車道に。この日は、ニッポンは休日だった。こちらでは、ニッポンの休日は休み、イタリアの休日ももちろん休みで、ダブル休日になる。たぶんニッポンの領事館のように。
自転車道から見た夕方の景色、小さな街の回転木馬、メリーゴーランドが、冬のはじめの寂しさが漂っていた。

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そしてもちろん昨日も雨模様。近所を歩いていたら、有名なエスプレッソ沸かしのメーカー、ビアレットの店頭に、セラミックでコーティングしたナベが売られていた。新製品らしい。新しいものを買いたいと思っていた矢先だったので興味がわいた。フライパンは、アルミはどうも体に良くないらしい、鉄は良いけど重くてさびる、テフロン加工はすぐはげる。それを考えるとセラミックは上手に、肉もソースもいけるかもしれない。

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そして、その夜は英語のレッスンに。昨年は中国語に夢中だったけど、今年はビジネスのことを考えるとどうしてもだ。イタリア語と英語が必須になる。英語は、今年の夏もロンドンでがんばったけど、中級のレベルから出られなかった。この中級というレッテルから這い出さない限り、使い物にはならないと感じていた。で、ブリティッシュ・カウンセルという、マゼンタ通り38番の英語学校に1年間、通う決心をした。きれいな建物でファッション・ブティックに囲われている。
その帰り道、私は自転車で通っていて、PACという現代美術館の前を通る。そうしたら、明日からはじまる草間彌生(1929-)の展覧会の準備が出来上がっていた。建物は、これまでのバンクシーの描いたストリートアートを消して、水玉模様に代わっていた。オブジェもおかれた。タイトルはYAYOI KUSAMA でI want to live foreverの副タイトルもある。草間さんは80歳にもなるのだ。いつまでもお元気で。
タグ:草間彌生
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2009年11月26日

ミラノの封切映画

実は、毎週水曜日は映画の日だ。いつも封切りで7.5ユーロのところ5ユーロだったりする。ニッポンのように高くはないのは、映画が重要な娯楽ということだ。楽しみに、ご飯を食べた後に、9時の最終上映を見て、帰ってビールを飲んで寝るというのも、悪くはない。映画の情報は、新聞かネットかだ。イタリア人は、映画批評にはかなりきびしいし、その評価の点数がいろんなかたちで表示されていて、それを基準に何を見るか決めたりする。でも、低い評価でも良い映画もあれば、高くても面白くないものもある。まあ、そこが面白いのだろう。
さて、ミラノで、いまどんな映画が見られるのか、ご紹介する。今晩は行きそびれてしまったから、次の楽しみのために。


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BROKEN EMBRACESで、ペネロペクルズが出ていて、なんかのドラマらしいがその内容が良くわからない。複雑な愛の話のようだけど。

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イタリアではUPというタイトルで、英語ではSPIRITO OF ADVENTUREとなっていて、アニメで、風船で、冒険をするようだ。非常に高い評価になっている。

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Public Enemiesのタイトルで、かつてのアメリカギャング映画で面白そうだ。試写でもなかなか痛快で、ストレス解消にはもってこいだ。ぜひ見てみたい。評価も高い。

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INGLORIUS BASTARDSで、栄光無きならずものという感じか?タランティーノ監督でブラッド・ピット主演。フランスが舞台で、第2次大戦中にナチを退治に行く話しのようだ。

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原題はTETROで、イタリアでは家族の秘密になっている。兄弟をブラジルに探しにいくという。どんな秘密なのか興味はある。コッポラ監督で、白黒のレトロ風に作られているようだ。

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Lo spazio bianco、白い空間というイタリア映画。フランシス・コメンチーニ監督は、ドクメンタリーが専門で、現代的なテーマで映画を作っている。40歳を過ぎた女性が主人公。

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Whatever Worksが原題で、イタリアでは、機能すれば十分とか言うタイトル。ウディアレン監督で、試写を見る限り、老齢のオジサンが気持ちよくまくしたてる。ウサばらしにはもってこいかも。
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2009年11月23日

Riminiのアルベルティ

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リミニというとこでフェアーがあって出かけた。午後の早い時間に終わって、あとはリミニの旧市街を見た。まずは、食事だ。例によって、土地の人においしいレストランを教えてもらう。ピクニックpic nicという、ちゃんとしたイタリア料理の店なのにこの名前、お皿に、1965年からと書いてあった。たぶんこの時代は、アメリカブームで、こんな名前がイキだったのだろう。プリモはポルチーニキノコのパスタ、セコンドは牛の煮込みにポレンタ添えだった。この煮込み、少しカラシが効いていて、グアッシュといって、この地方の料理だそうだ。

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街に出た。すでに3時を過ぎ、夕日が、長い影を作っている。街の広場はトレマルティリと言って、古代ローマからズート広場だった。今の広場の2メートル下に、古代ローマのパヴィメントがある。白大理石で、今のより相当に立派だ。だったら、今の広場を全面的に下げて、古代の広場にした方が良いのではと思った。
同じ広場に、1944年の8月に、この広場で、反ファシストの3人の若者がつかまり、絞首刑になった、というレリーフがあった。
そして、広場の近くに、マラテスティアーノの神殿Tempio Malatesianoという、いわば街のシンボル的なバシリカがある。9世紀にはすでにあって、ゴシックの教会だ。これを、建築書の著者としても有名なレオン・バッチスタ・アルベルティLeon Battista Alberti(1404-1472)が1450年に改装した。図の黒い分で、正面と両サイドに新しいルネサンススタイルで付け加えた。アルベルティは既存のゴシックの建築を尊重して、正面の上部は、左右シンメトリーではなく、後ろに中世の建物が見えるように工夫している。既存の建物を保護するような改装で、このコンセプトは現代にも通じる。感心した。キューポラの正面にはジョットーの十字架があった。

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リミニは夏の避暑地で有名だ。フェリーニ監督の生まれたところだ。彼の映画にはよく砂浜が登場する。だったら、海岸に行かなくては、でも日は落ちてしまった。一生懸命歩いて、薄暗いなかに、かすかに見える地平線にようやく出会うことができた。
タグ:Rimini リミニ
posted by perabita at 21:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする