2008年11月30日

洗濯バサミ留めの照明器具

ニッポンから来られた建築家Kさんとデザインのショールームを見て歩くことになった。せっかくだから気に入ったデザインがあるかどうか期待したい。

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最初に出くわしたのが、デザインではなく学校改革反対のデモだった。もう全国的に下火になっているのかと思っていた。背中の張り紙にはこう書いてあった。「われわれはネオファシスタの体制下にある。そして、ベルスコーニ首相は新しいムッソリーニだ。デモクラシーの義務はアンチファシスト、この政府、この政治体制と戦うことだ。イタリアマルキスタ・レーニニスタ党」考えられません、この人たちコチコチの共産主義者だ。

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イタリアを代表する家具メーカーのカッシーナとB&Bのショールームが並んでいる。前者は本当にお金持ち向けの家具だ。コルビジエなどの復刻家具が多く、どれもすわり心地が良く、そこで休むとお金持ちの気分を味わうことができる。そういう家具の中で、比較的良いと思ったのは、この本棚、写真では2本セットが並んでいる。1本千ユーロ。名前は赤い雲NUVOLA ROSSAでマジストレッティのデザイン。たたんでコンパクトになる。そして、隣のB&Bでは、ウルキオラのデザインのイスが並んでいた。背が高く、食卓のイスに良い。
モンテナポレオーネ通りを過ぎて、途中コーバでカフェを飲んで、行ったのがマンゾーニ通りにあるドリアデのショールームだ。ここで、目にとまったのが、写真の照明。よく見ると上部は洗濯バサミで止めてあるし、紙は普通のケント紙だし、たぶん、店の人が、仮の照明として、手作りして取り付けてあるのではないかと疑った。店員さんに聞いてみたら、売り物だという。作者はインゴー・マウレルINGO MAURER。あの裸電球に羽がついたデザインをした人だ。ちなみにお値段は105ユーロだそうだ。もちろん洗濯バサミ付でしょうけど。面白いデザインだ。名前はWILLY DILLY。気になって裏側ものぞいた。もし汚れたら、紙を切り抜いて、気分を変えたければ和紙で、洗濯バサミも木か別の色で、気軽に楽しめる洗濯バサミ留め照明器具だ。

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最後に、洋服デザイナーとジャズとワインメーカーの合同パーティに出た。今日の締めくくりとしてはどれも上等だった
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2008年11月29日

今年の冬の雪予報

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イタリアの天気予報は割合良く当たる。最近はどこでもかなりの確率で正しい予報がされるようになった。新聞やTVでは、3日分は詳しく報じられる。TVの天気予報のおじさんは軍服を着ている。天気予報がミリタリーの管轄だからだ。
今朝から、ミラノは雪が降っている。寒―い冬空で、街行く人はコートにマフラーぐるぐる巻きの真冬姿だ。お昼過ぎには、みぞれになって、夕方にはやんだ。あすは良い天気らしい。こちらでは雨が降ると気温が下がる。ニッポンは逆で、雨は温帯の湿った空気がもたらす。こちらは北ヨーロッパの冷たい湿った空気が雨を降らせる。
さて、1枚目の写真は、今朝の雪、2枚目の写真は私がミラノに来たときに降った大雪だ。2005年12月28日だった。この年は、どうも大雪の当たり年だったようだ。その後は、あまり雪が降っていない。ミラノ中心部でいつ雪が降ったかどうかの記録を調べてみた。
・2001年は1回。
・2002から2004年までは雪は降っていない。
・2005年は3回大雪。
・2006年は1回。
・2007年もなし。
・2008年は早くも11月28日に初雪となった。
どうも、今年は大雪の当たり年なのか?長期予報をネットでいくつか見たのだが、どれも同じことが書いてある。
ロシアからの冷たい空気が流れて来て、11月、12月、1月は、寒く、雪か雨が多く降ることが予想される。とある。やっぱり大雪の年なのだ。
大雪が降ったからと言って、雪かきとか、雪下ろしとか、交通の大混乱とかがあるわけではない(車は困るだろうけど)。郊外のきれいな雪景色が見られるし、クリスマスらしくなるくらいだ。それでは、防寒対策として、毛糸の長めのマフラーを買うことにしよう。

ラベル: 大雪
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2008年11月28日

マグリット展の「光の帝国」

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今朝から初雪が降っている。この数年、異常気象か、雪が降っていない。田舎はきっと白いベールにおおわれ、あの麦畑の道の曲がり角に立つマリアも雪にうもれているにちがいない。久しぶりの白い世界だ。
昨夜はマグリット展を見に行った。たくさんの人が行列をつくっていた。毎週木曜日は美術館が夜の10時頃まで開いていて、にぎわっている。マグリット展は、トウキョウでも見た。マグリットRene Mgritte(1898-1967)は、常に大規模な展覧会がひらけるほど、たくさんの作品を描いている。同じテーマのヴァリエーションが多い、だから、ブルッセルの美術館が、余裕で貸し出しをすることができるのだ。しかも、絵が具象で、比較的わかりやすい。なんとなくわかる。

この絵は「光の帝国」というタイトルがついている。絵は二つの世界が描かれている。昼間の空と夜の街の風景だ。この展覧会の入り口に、実際にこの絵の状況を模型で見せていた。マグリット自身、この絵について、このように語っている。「光の帝国の絵には、二つの異なった世界を描いた。ひとつは、夜の空の絵とこの絵のように昼の空の絵だ。風景は夜で、空は昼だ。この昼と夜が同居していることは、驚きと魔法の力によるものだ。これを詩的な力と呼ぶ。」
確かに、白い雲が浮かぶ空は明るい光がいっぱいで、下の世界は街灯と窓の明かりの夜の風景である。何かシュールな、変な感覚に襲われる。昼間なのに夜。この変な感覚は、現実世界でも私は体験している。夕方に、昼間から夜に移る一瞬がある。空は夜になろうとしているがまだ夕日で明るい。だけど街の風景は、早々と街灯がつき、夜の始まりだ。このときは、確かに異様な感じがする。マグリットの世界だ。
ラベル:マグリット
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2008年11月27日

名門洗濯屋マリウッチア

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ふだんわたしは、シャツにセーターとGパンですましている。ネクタイに背広というのは、このイタリアに来て、あまり着たことがない。それでも、年に何回か、着なければならないことがあって、その後クリーニングに出す。めんどうだから、一番近所の洗濯屋さんにもって行った。そして、1週間後に引き取った。驚いたことに、この背広買ってからもう3年はたっているのに、新品のようだ。いや、買ったときよりパリッとしている。

イタリアの洗濯屋というのは、まあニッポンよりはレベルが多少高いかもしれない、比較的職人的な仕事をする。洗濯屋というのは、古代ローマ時代からすでにあった仕事だ。古代では、トガというシーツのような着物を洗うのに、小便を集めて、漬けて洗った。含まれるアンモニアで漂白した。でも、黄色くならなかったのだろうか?ちょっと考えるとそんな気もする。

私の近所の洗濯屋さんはハイレベルだ。名前は洗濯屋マリウッチアTintoria Mariuccia(Via Morgagna,39)。聞くところによると、ミラノでも有名らしい。洗濯ものを受け渡ししてくださったご主人に聞くと、もう50年は営業している。グランドホテルやヒルトンホテルの洗濯も請け負っている。おおそうか、ヒルトンのレベルなのだ。立派なHPがあって、何度も新聞で紹介された。
シミなんかも、インクのシミ、コヒーのシミ、ワインのシミなども対応してくれる。
一般的に世間の洗濯屋は3種類あるそうだ。
・お客様の要求に応じる伝統的な洗濯屋
・一般的な洗濯を早く仕上げる洗濯屋
・染めをする洗濯屋
イタリアでは、染物屋tintoriaも洗濯屋と同じ意味で使われる。理由は、10年くらい前までは、染物もしていた。市内では、排水問題や危険物を使うので禁止されている。マルウッチアは、この伝統的なサービスをする洗濯屋で、細心の注意を払って、優れた技術で洗濯を引き受けるという。まあ、すばらしいとしか言いようがない。
ラベル:洗濯屋
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2008年11月26日

円形の教会サン・セバスティアーノ

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建築家ペレグリーノの第2弾、サン・セバスティアーノ教会San Sebastianoだ。
イタリアのほとんどの教会は、ニッポンのお寺や神社と違って、信者がお祈りに来る。ミサも時間通りに朝、昼、晩と決まった時間に行われている。そのミサの1時間前くらいから門が開いて、中に入ることができる。それ以外は閉まっていて、見学することが出来ない。

このサン・セバスティアーノ教会は、外から見ると、円筒形をしている。外観が普通の教会とは違って、丸い、先日のサン・カルロ教会と同じようなスタイルだ。この教会も、ペストと関係している。1576−1577のペストの大流行の後に工事がはじまっている。大司教のSan Carlo Borromeoのお抱え建築家だったペレグリーノが、ペストの脅威から守るために建てた教会といわれている。市民の神殿といわれ、今でも毎年1月20日にミラノ市がセレモニーを行っている。つまり、教会なのだけど魔よけの神殿なのである。
古代ローマ時代からパンテオンをはじめ円形のスタイルの神殿があった。ペレグリーノの図面を見ると、明らかにパンテオンを意識した設計となっている。内部は半球のクーポラがあり、平面もパンテオンとほぼ同じ円形のかたちをしている。1577年に工事がはじまり1603年に完成している。ペレグリーノは1596年に亡くなっている。設計、工事は別の建築家によって完成されている。建物は、ペレグリーノの設計とは少し違っている。クーポラの立ち上がり部分が高くなっていて、シリンダー部分が大きくなっている。たぶん、構造上の問題から、現状のように変更されたと考えられる。だから、外観は円筒部分のが高くなっている。内部はパンテオンのように完全に球が内接しているのではなく、下のシリンダー部分が少し高くなっている。
まあ、ペレグリーンの理想はパンテオンの再現だったようだが、現実は少し違っている。また、外観も当初から円筒形で考えられている。時代の好みなのか、経済的、構造的な問題のためか、分からない。
もう一つの問題は、ペレグリーノは、円形の、使いにくい平面の機能的な問題をどのように解決したか?
それは、入り口とその正面には祭壇を設け、柱で区切られたところに、浅いカペッラが作られている。こうすると、コンパクトで、円形でも一般の教会と同じような機能を持たせることができた、と思われる。機能的な問題も解決されている。図面類は以下に掲載されている。
http://www.cisapalladio.org/annali/pdf/a10_09_saggio_Antonini.pdf
posted by perabita at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・クラシック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする